ヤカの感想

読書とかの感想と、ちょっとの雑記

貧しき人々

台風だ

あの後ロシア史とドストエフスキーとシナリオ創作論とあとなんか読んだ

漫画描くの楽しくて1週間くらいわわってやったけどいまなんかねてる

 

 

ドストエフスキーの貧しき人々、

最初の方マカールがほんとずっと言いたいことぶちまけてるだけで文体として読みづら〜、めっちゃ読みづら〜って思ってたら後半でだんだん文章のスタイル掴めてきました…って本人が言ってて、確かにそのくらいになってきてると話の筋が少し読めてくるようになってる

 

これマカールさん、私と一緒でさほんとに最初から言いたいこと垂れ流しの感情の爆弾みたいなやつをワーレンカに書いてて、でも優しいワーレンカなら読みづらくても受け止めてくれると信じてるからそれやってるんだよねきっと

 

 

 

 

酒呑みの貧乏人の目線から見たら最高のおちょくり対象なんだけどな

おじさんの支離滅裂なラブレターとか

 

ただ読みづらくてもなんか激情みたいな哀れさとか、誠実な愛と感情はそこにあって、ワーレンカさんはその飾らないまっすぐさこそが尊いものだと知ってるし、それを送ってくれるマカールさんを嘘偽りなく愛せる心を持ってる

 

あと結構ワーレンカはマカールさんに対してスルーする所は結構スルーしてるし言いたいことはかなり言ってるしな

 

かなり支離滅裂に見えて高レベルな飾らない愛情、すごい

こんな文通相手そうそう見つからんよ

どうやって知り合ったのこの人たち

 

 

当時のサンクトペテルブルクの人々にとって文通がどのくらい一般的なものなのかとか、流行りの文体なのかとか、愛しい人!なんてワードはどのくらいの重みを持つのか、というのがちょっとわからないけど、なんかドブだめに咲いた誰にも理解されないタイプの純愛なんだなぁ

 

あとワーレンカは自分の過去を匂わせてこっから先は不幸になるから筆が進まないっていうの

先気になるじゃん…

書いてよ…

 

これで書かないのが文豪のポテンシャルなんだろうけどさ…

 

 

 

あとこっから先は少しネタバレするけど

印象的なシーン

 

 

マカールが上官から100ルーブルもらったとき、金額よりもまるで平等であるように手を握ってもらったこと、これがお金より尊いのです、死んだ心に息が吹き返して、自分自身を取り戻せたのです、だからあの人を讃える、一生讃えるのです…っていうの

 

こわ

 

って思った

 

いいことのように書いてるし気持ちはすごくわかるけど

 

こわ

 

貧しい人々はなけなしのお金を貸し借りしあって助け合ってるのに金持ちがちょっとお情けするだけでその尊びようよ

 

もうそこで持つものと持たざる者のメンタル影響力の格差を感じさせられちゃうのヤダ〜…

 

悪い金持ちからしたらさー、貧乏人チョロすぎじゃん

まあそういう目にさんざん会ってきた人達もあの街にはいるのかもしれない

 

 

読後感はなんか微妙だった、まあ読んでスッキリ!って話でもないけど

 

なんかワーレンカは結構向こうでもしたたかに暮らせる子なんじゃないかなあとは思う

マカールさんのこととても気にかけつつ

ウサギ追っかけたり 窓の外に郷愁を見出したりして自分のありようをたくさん考えて落とし前つけれる強さはある気がする

 

 

 

 

追記ーーーー

 

その後皿洗いながらちょっと思ったけど、

この話って現代にするとなんかかわいそうな女子学生を借金してまでお金で援助してお話聞いてもらうピュアなおじさんの話になってしまい、かなり相当な危うさをはらむようになっていると思う

 

つまり現代日本の視点じゃ90%くらいマカールはクソかまっておじさんとしてしか見られないし、多分キャバクラとか行ったら絶対破滅する

 

いやもう破滅してんだけど

マカールさんは純粋な人だけど

純粋だからこそ憐れみたいな

なんかこのモヤがドストエフスキーの真髄…

この視点は当時でもそうだったのかな…

 

多分マカールさんをなんかアホの騙されおじさんwwwと嘲笑う気持ちも自分の中にある気がする

 

しかし自分の愛とか信じるものを信じてるマカールさんをアホwwってほんとに笑えるだろうか…

 

あーでもなんかこの話、もし、もしもよ、マカールさんがワーレンカと幸せに暮らしたらだめになっちゃうタイプの愛かも

 

だってそしたらマカールさんは自分に下心があるって感じるだろうし、そうなっちゃったらなんか耐えられない気がするんだよな

 

ワーレンカは崇拝の対象で下の世界で触れられないんじゃないかしら

 

悲恋だから美しいねって言えるやつかも

多分マカールさんは不幸だからワーレンカが好きな部分絶対あるもん、純粋だけど貧乏人故のフィルターが入った純粋さなんだよな

そう考えると最初から終わってるな

やっぱダメなのかも

 

金持ちがどうせ全部持ってくくせに貧乏人にはまっすぐ生きろと神様がいうから哀れなほどに誠実でいるしかないって感じ

 

なんか現代日本より精神的にはすごい清貧

神様がいるぶん心が美しいや…

 

これをキャバクラハマりやす哀れおじさんという形に嵌め込みやすくて実際いたら絶対笑っちゃうの、俺は心があまりにも貧しい

 

世の中も心の貧しい人が多いんだと思う

ワーレンカみたいな女の子なんか絶滅危惧種だろ

いてもいいように利用されて終わるよ

神様信じてる人なんかもうほぼいないもの…

 

 

やば切ない

もう生きてたくなくなってきた