ヤカの感想

読書とかの感想と、ちょっとの雑記

風来のシレン6

これやってる

 

幼い時友達んちに行って、そこのお兄ちゃんがシレンやってた。おにぎり食べて進むのが見てて面白かった。大人になってついに挑戦したら、時間が溶けるのなんの🫠🫠🫠昔の印象と変わらないサウンド、キャラデザが安心する。

 

こういうジャンル、ローグライクというらしい。潜るたびに形を変えるダンジョンを攻略し、死んだら全部やり直し。20階のダンジョンの18階目あたりは、一ターンの選択ミスが全滅に繋がるような事態がよく起こる。集中力切れると死ぬ。死ぬと悔しい。またやってしまう。

 

段々立ち回りを学ぶと生存率が上がってくる。この感じが病みつきになる。

この立ち回りは、モブキャラのセリフなどで提示されてたりするし、自分で探っていくのも楽しい。

思わぬ道具の組み合わせがうまく行ったり、ちょっとしたことが窮地を抜ける鍵になって、うまくいくとそれはもう快感すぎる。

 

 

それにしても楽しい

楽しすぎる…

脳みそ殺してひたすら没頭できる…

 

そしてこの世界の人、完全に和風の世界観なのにダンジョンのことダンジョンっていうんだよね 完全にダンジョンを中心とした文化ができてるのかな だからか魔物にも寛容だよね

オヤジ戦車が宿場町にいても許してくれるし…

お前はなぜ宿場町にいるんだ

ミーミー(シレンー!)

 

私が思うに店の店主、あれは魔物と人間のハーフだと思う オヤジ戦車と人間のハーフだと

おかしいくらい強いもん…

イノセントデイズ

これ読みました

お部屋の整理したら積読の中から出てきた。あまりこう言うミステリ系は読まないほうなのに、いつ買ったのか。

 

 

ある殺人放火事件から死刑執行を言い渡された女性について、周囲の人々が語るエピソードから、徐々に浮かび上がる彼女の真実を巡る長編ミステリ。

「読後あまりの衝撃で3日ほど寝込みました…」

「極限の孤独に、心が激震する」

帯のセリフが強い。コピーに惹かれて買ったな、過去の自分。

 

以下ネタバレ有り

 

 

舞台が地元だった

読んですぐ知ってる地名が出てきて、あっこれ地元の話だ、と気づいた。出てくる場所が知ってるとこすぎて、「自分の地元が誰かのトラウマを作った舞台」となってるのはうっすら辛みが増した。

これは読む時にノイズになっちゃったと思う。近すぎた。

 

幸乃について

このお話は死刑囚である幸乃はなぜこのような凶行に及んだのか、がメインに置かれている。これはあくまで読んだ一個人の感想なんだけど、エピソードを読み進めても、どうしても幸乃の自己中心的な感じが強くて同情出来なかった。

 

いくら中高が不幸だったとはいえ、慎一の手紙から気持ちを汲み取れていたはずだ。看守の人の気持ちもわかってたはずだ。「もう誰かを信じて裏切られたくない」と言う言葉の中に、自分を麻痺させたいという頑なな決意が伺える。

じゃあ、何が彼女をここまで希死念慮に追い詰めたのか。

 

周りの境遇もあったけど、1番はおそらく失神する彼女自身の性質だと思う。

興奮すると失神するというこの病気は、多分彼女の死へのハードルを下げたんじゃないか。スーッと寝て天国へ行く。目が覚めなければ良いな、と思ったこともあっただろう。

もちろん、生い立ちが死にたい気持ちへ結びついたのだとは思う。彼女が裏切られた想いを募らせていて、最初の山手時代も含まれるんなら、おそらく。山手以降の経緯は彼女は自ら破滅へ突っ走っている。古本屋の時だってそうだ。断ることもそれまでの彼女ならできたが、おそらく敢えて引き受けた。

 

自分だけが被害者になることで、別の罪から逃れようとしているように見える。それが山手時代に取り憑かれた、生まれてしまってごめん、みたいな意識なのかも。

 

これはもはや気質みたいなもので、周りの人間が手を差し伸べていたら救えるものなのかはわからない。救えなかった、と周りが悔やむのもむしろありがた迷惑なんだろう。

 

ただ、慎一や翔を信じないで、自分を通し付けたのはやはり幸乃の罪だと思う。

自分が誰かの世話になりたくない、生まれてしまってごめん、なくなりたい、と言う心から、罪なき存在、無垢でいたいために、壮大な自殺をするのは、拗れた自己愛に見える。

なんだろう、自分はここまで不幸になってあげたのだから、これでいいでしょ?みたいなわがまま。

満足するのは本人だけで、あまり美しいもんじゃないな、と思うのです。

 

慎一は早くトラウマ乗り越えてほしい。かわいそすぎる。

 

 

極限の孤独な奴にどう向き合うか

ものすごく弱った人間は、救いの手を取ることすら恐怖で、いくら話しかけても、楽な方、死ぬ方へ考えがいってしまう。そして自らを他人の奴隷にして、自我を消そうとする。

 

都合よくそんな人を消費できるやつは、なんだかんだ社会でうまくやる。敬一や皐月の友達みたいに。彼ら彼女らには罪悪感はほぼない。そしてタチが悪いのは、消費される側の人間がそう言う人に惹かれてしまうことだ。お互いにうまく噛み合ってる。共依存というやつだ。

 

どういう人が、どのタイミングでどう関われば幸乃を救えたのか?シンプルに、幸乃にお前は幸せになっていいぞ、という思いを抱かせるにはどうすれば良かったのか?

 

これってなかなか難しい問題だなぁ、と思うのです。

でも、これはまじで地元が一緒だから思うけど幸乃 

横浜は地域格差がやばいから 金持ちも貧乏もごっちゃで社会のこと嫌いになるけど

もういっそ地元の友達とか捨ててどっかでリゾートバイトとかして、過去捨てて新しい人間関係作って、少しずつ短期間でいいからアパートのおじいちゃんみたいないろんな人に触れて、まともな感覚を取り戻していくっていうのがなんか真っ当なコースかなって私は思うの

女子の20代なんて全員情緒不安定だから、歳取れば治ることもあるよ

 

まああくまで私も他人事で言うけど、傍聴席の片隅でなんか言えるなら、そう言うかな…

 

 

 

 

 

 

 

苦役列車とコンビニ人間

人生のたどりかたがわからない!!!!

私は人間として価値がないんだァァァ!!!!

なんて鬱期に晒されています。

人間ってなんなん

 

これ読みました。

 

 

救われもしなかったが、確かに自分以外の人間も苦しんでるな、と思うことはできたので、一つずつ感想を書いていきたい。てか2冊ともさすが受賞作!って感じで、面白くテーマ性もあってよかった。もっと読みたい芥川賞

 

 

苦役列車の話:

 

作者の西村健太氏、もう死んじゃったけどバラエティとかにも出てたし本人のキャラクターが強烈で、好きでした。

 

主人公の貫多は、15で社会に出て、日雇いの仕事をしている。その日暮らしで怠惰でブサイクで嫉妬深くキレやすく、父親は性犯罪者でとんでもなく孤独、教育と愛情が不足している自己否定の塊である。同い年の大学生の日下部と初めてのお友達になるが、まともになりたい、まともにさせて欲しい、救って欲しいという願いが暴走しすぎててアーッ!!ってなる。そこまで書いちゃうのか。やめてくれ。恥にきくのだ。やめて!やめな貫多!!!やめな!それはお前のパパやママじゃないのだ、お友達は無条件に愛情をくれる存在じゃないのだ…。

てな感じでとにかく赤裸々に書いてくれるのだが、もう恥も恥を書き晒すこの姿勢、本物の捨て人の姿勢がそこにあって、一周回って清貧さを感じる。

書いてる内容は心底汚くゲスいんだけれど、ただのゲス話だと胃もたれしてしまう。

それを和らげてくれるのが、彼の尊敬する私小説家からの影響なのか、軽妙で小洒落た文体。底辺お下劣内容とサラッとした知的な言い回しのないまぜが、読んでてすごく心地よいのだ。ゲスのモツ煮をスパイスカレーくらいに変えている。この文章力がすごい。本物だ。実力で賞とった人だわ…。

内容はアレだが、このセンスと文体は好きすぎる。

もう一つの短編は、腰が痛すぎて動けない、トイレ漏れるがペットボトル近くにあった!ってクソ汚い出だしなんだけど、このタイトルが「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」

素晴らしいやろ。褒めてる。好き。

 

 

 

 

 

 

コンビニ人間の話:

 

主人公の恵子はコンビニで18年バイトしている。人間社会の「ふつう」がわからない恵子にとって、唯一社会での役割がわかるのがコンビニだったのだ。

 

この主人公がロボットみたい。欲がなく、孤独もあまり感じない。けどそれがバレないよう、周りにうまく合わせてる。その理由も、好きな家族を泣かせたら悪いからって感じ。唯一僅かに他者に関心を持ててるのが家族で、それが社会につながるきっかけをなんとか作ってくれてる。良い家族がいなかったら詰んでたな。

 

この作品、主人公の考えに共感できるかがキーな気がする。

 

私は完全肯定派でした。てかこれ、普通の人にはない完全な強みがあると思う。それが周囲には脅威に映っちゃうんじゃないかな。

話中盤で登場するクズみたいな奴との掛け合いがシュールすぎて笑える。このクズみたいなやつを唯一人間として扱ってあげたのが、1番人間らしくない恵子であるって言うのは皮肉が効いててよかった。人間の感情があればこいつなんか絶対ほっとくもん。

 

就職とか結婚とか、社会的地位とか、他人に興味がない人にとっては、自分がその対象になるのは苦痛なんだろう。この人は、同じものの考えをする人たちの中で暮らせればとても幸せだろうな、と思った。日本の中だと、どうもそう言う場所は少ないみたいだ。

 

 

 

 

この話の中に出てくるクズは本当話の中で笑けちゃうくらいクズとして清々しいやつだった。苦役列車の貫多もそうだけど、クズなやつっていうのは小説をうまく転がしてくれる面白い存在やな、リアルでは会いたくないけど。

彼らのトンチンカンな主張の中にも、一生懸命で共感できるところがあるから、笑いつつ愛せるんだな。これも一つの人間の姿なのかもね。

 

散文

めも

捨てられたと強烈に感じた時があったのだ

なにに?家族に?職場に?社会に?

なんだかわからないけど、とにかくこの捨てられた感覚はずっと私の中に残った。それから少しずつ街は変容し、隠れていた影が、仄かに浮かび上がってきた…

 


駅は朝から、水色の電車を何本も送り出す。商店街の突き当たりに駅はある。商店街は定規を寝かせたように直線で、縁取るように50年前に建てられた家に、棺桶が一つずつ置いてある。家主は年老いた吸血鬼たちだ。彼らはラナンキュラスの品種改良が趣味で、春になるとコンクリートの間のわずかな隙間に、見事な花を咲かせている。作った本人は、夜の間にしか眺めることができない。

 


この街には外から、たくさんの外来生物がやってきている。あらいぐま、はくびしん、たいわんりす、ガビチョウ、そして何よりいま私を悩ませているのは兵隊だ。

兵隊たちは自身が魂だけになっているのを知っていて、たくさんのものに取り憑く。

兵隊に取り憑かれた人やものは、浮かれてしまったり泣いたりする。こうなるともう、どうしようもない。

ある台風の日の朝、兵隊たちがいなくなっていた。奴らは風に弱いのか。空は青く、強い南風が吹いていた。

 

 

 

神様はきっと私のことを許さないよ、と、母親がやってきた。母親というが、本当に母なのかは実はわからない。私の幼い記憶では、くらい澱んだ川の中から、光る手が自分を掬い上げてくれた、母その人がこの人と結びつかないのだ。神様は私を許さない、がこの人の口癖だ。神様というのは誰だろう、どうすれば許してくれるのだろう、と聞くと、おいおいと泣き崩れ、しまいにはお前のせいだ、と言って帰っていく。

母は、私に、ラナンキュラスを1本持ってきている。

 

 

 

手頃な花瓶がない。通販で買うのも味気ないが、無意味にスマホを触り寝転がってしまい、気がつけばマットレスの通販を見ていた。最近のはだいぶ寝心地が良さそうだ。

 


通勤電車:

5分の遅れ。川縁では少年たちが野球をしている。

仕事:

小さなコンピュータの部品みたいに、デスクにきちんと収まり、本日の案件、というのをこなす。あんまり自分のこと考えちゃいけない、昼ご飯のキムチチャーハンのことばかり考えている。今日電話した相手先、ふとしたことで相手の情報を聞いた。わかってるふりして相槌を打ったが、元きのこだった人間っているのだろうか。

今日も夕焼けは昨日と同様美しかったらしい。しらんけど。星も綺麗だったらしい。しらんけど。退勤、同僚のピクシーが通勤用の羽をつけ直している。空を飛べて帰れるのは羨ましい。私も両手を広げて、羽根にならないか、試してみた。恥ずかしいからほんの暗がりで。

ピンク色の月が、ほのかに甘い匂いを流している。星も夕焼けも見れなかったけど。

 


角砂糖をアリに配る仕事が求人情報に載っていたので気になっているが、アリの大きさってどんくらい?人みたいに大きいオバケアリだったら、やだな。

 


通勤中、侘沼さんがまた沼に嵌っていたので助けた。しかし、ずっと沼にいさせてほしい、とたのまれたので手を離した。沼に沈む彼は、ちょっとモナリザみたいな顔をした。カエルみたいできもいきもいと言われ続けていたのに、こんな美しい顔をするなんて、この人の居場所は初めから沼だったんだ、がんばって地上に出て暮らさなくちゃいけなかったのか、ごめんね、と思った。翌日沼は埋められた。

 


小説の中からアップルパイを焼いたキャロルが出てきたのに、私はそのタイミングを逃してしまったみたいだ。部屋にはパイの香りだけが残っていた。コンビニ弁当を開けた。値段100円下げて、もっと普通の味のやつ出してほしい。グリーンサバマトンカレーってなに?だれかが流行らせようとしてない?でも食べたので、感想をあげよう。美味しかった〜😋

 


全てが嫌になっている。

布団の中で目を瞑ると、どんどん布団が沈んでいく。このまま沈んで、沈んで、もう登れないところまで行ってほしいのに、綿の限界で止まってしまう。手を動かしたら何かに触れた。お金だ。お札の束が、たくさん水底に沈んでいる。やわやわとふやけて、揺れて、あーこれひとつかみあれば、私大丈夫かな、と思うが、同時に憎くもなって、今度はそれを布団でぶっ潰してやりたくなった。枕を掴んで、手足をバタバタさせて、夢の中でとても暴れた。札が飛んで、舞っている。私は叫ぶ。お前たちが埋めた沼の下で、生きている人がいるのに!!!と。お札はそんなの知らないはずだ。お札のせいじゃないはずだ。そしてこれは本当は私の怒りだ、侘沼さんだけじゃない、私も沼の下で。お前たちのせいだ。お前のせいだ!と私は泣き喚く。そしてラナンキュラスが一本、胸に突き刺さっているのに気づく。

 


いつの間にか吸血鬼に襲われていたらしい。

スミマセン、の書き置きと共に5000円札が置いてある。腕から血が流れている。窓が空いている。色々とムカつく。

なのに、ラナンキュラスが置いてある、なぜかそれがやわらかくて、慰められてしまった。泣きそうになった。

 


街灯の下、金のマントをまとった裸の少女が、若い吸血鬼たちに囲われている。暗闇の馬に乗せられて、彼女は半狂乱で笑っている。

月が赤くなってる。今日は吸血鬼の夜なんだ。あの子は選ばれて、吸血鬼になるのだ。

見たくないものをみた、カーテンを閉めた。

 


次の日は、花がよく咲いていた。

花畑と化した駐車場で、昨日の少女が死んでいた。陽光の下の花へ惹かれるように躍り出て。昨日の狂気は表情から消えている。体から静かに立つ湯気がプリズムを作って、消える。

 


アイブロウブラシをドラッグストアで選ぶ。真っ白な蛍光灯。たくさんのポップ。どこかで聞いた曲のアレンジ。ここは地下1階。

会社帰りの通勤路。サプリメントや歯磨き粉や化粧水を買っていた。買ってほしいって訴えの全てに応えようとした。

帰宅後彼らをビニール袋から取り出して綺麗に並べた。金箔のある歯磨き粉の箱、ティッシュ、薄白いパッケージの化粧水。彼らはもうドラッグストアにいたほどの輝きを放っていなかった。買われたから役目を終えたって顔をしている。またか…。

そして本当に欲しかった、アイブロウブラシはいないのだ。

 

 

 

戦争と平和 下

読み終えました。長かった。

 

なんだろう…色々思うところもたくさんあったんだけど、まだまとまんないや。

でも、なんか端的に、端的に言えばこれは歴史を決めつける人へのカウンターなんだと思った。後年ガヤガヤとあーすべきこうだったって連中が嫌いなんだなって。もっと人やものは曖昧で、それから作られる歴史というものの捉え方に対して、強い訴えかけがある。

 

これは彼から見たナポレオン侵略時のドキュメンタリー風群像劇であって、そこに生きた人間をいかに見るかに心血が注がれている。もうそこは本当に心血、血で書かれてる?ってくらいに血が巡っている。この血が、紙面上でものを測る思考を痛烈に批判する。

 

西洋の考えに押され気味だったロシアの人だからこその気骨が見える。日本もやや同じ風土であると思う。文中で何度もナポレオンのこと書いてて、その視点は自分の学んだ印象と大きく違った。

最初はロストフに感情移入し、次にアンドレイに感情移入し、さいごはピエールのことを考えた。この3人が本当に考え方の違いが際立っているが、全て方向性の違う善性を持ってる。

愚かしいと言われてたピエールが一番全体を通してものを見て考えていた。けれど彼の才能が発揮されるのは半ばを過ぎてからで、それは戦争が呼び起こしたものなんだよな。けどピエールが一番、なにか深く成長していて感銘を受けた。

これは軍人だからとかではなく、ピエールの性質だったんだろうな。モスクワから捕虜になって、自由になる、あのシーンが好きだ。でもあの自由は彼だから感じられたものなのかもしれない。

人間の精神の上の、本当の幸福は、本当はいくつもいくつも種類がある、なんかあの朗らかな気持ち。なんだろう。とうといよね、自分も忘れかけてたけど、それを小説で感じさせるの、すごい。どれだけ深く人間を観察したんだ。

 

アンドレイが静かに療養して、あちらに行く、それをナターシャが感じるあのシーンも。本当にその場にいた人にしか書けないような苦しさと神秘性があった。あそこまで神々しいなにかを、そのまま文章で表現されている。馴染みのないものなのになんか苦しい、わかる、わかる気がする。

 

そんなかんじで当時のロシアの貴族の価値観、生き方、魂の崇高性を感じながらも、現代に生きる私は、貴族のような時間の自由を失いながら、農民のような牧歌的な魂を癒す労働もできない。一番近いのは歩兵であって、でも、その歩兵の描写は死んだり踊ったり略奪をする、大いなる流れの中の不幸な砂粒として描かれていることは軽い絶望だった。いや、砲弾運ぶシーンの時は煌めいてたか。でも、私は死ぬ仕事はしてないし、神がいないんだよ。終わったね。

 

彼らに近づくことはできないし、学ぶのもまた違うんだろう。ただ私はあまりに神秘に満ちて、美しい魂を持った人たちが、たくさんの人間の何かとめどない大波にさらわれ、静かに消えていく流れの鱗片を見てしまった気がするのだ。もうここにも、どこにも彼らはいない。

 

私は救済を求めたい。誰に?何に?ただ、生きてることに?

彼らの見つけた魂の救われる瞬間が欲しいんだ、それがどこにあるのか、それがてんでわからないんだ。

もしかしたら戦争が起こればわかるのかも、もしかしたらみんな、無意識でそう思って、戦争を起こすのかも。生きてる実感とかで。

でもそれは突飛だから、なにか、どこかなんか、本当に安らげる、現代の頼りどころ、旦那様、神様みたいなやつ。推し、でもないやつ。

どこにあるんだろか。

戦争と平和 上

トルストイの、戦争と平和を読んでいます。

 

 

光文社文庫と新潮版とあり、光文社は現代語に近く簡潔、新潮版は忠実、って感じ。

家に新潮文庫版があるんだけど、光文社のはKindle Unlimitedで3巻まで読めるので、出かける時は光文社で読んでいる。大体光文社3巻くらいまでの感想。

 

聞いてはいたが、かなり長い。ロシア文学の重厚さと当時の華やかさを堪能できる。読む超濃厚クラシックチョコレートケーキって感じ。

 

そして人が多い。多いな。そして似てる。デニーゾフとクトゥーゾフ、ドーロホフ、ベズーホフ、どっちがどっちアンドレイ?ワシーリー伯爵?将軍?ロストフ?クリャーギン?いまどの隊が誰といるの?え…となったり、場面転換すると新たな伯爵、100ページぶりによく似た名前の人が登場する。光文社版だと、久しぶりの登場人物は中訳つけてるほど。

ロシア独特の人名の呼び方が複数個あるのも混乱に拍車をかけ、登場人物556人って書いてあって驚愕した。HUNTER×HUNTERの王位継承戦を軽く超えてきたよトルストイ

 

 

 

大体自分用に登場人物をまとめるとこんな感じ…か…?

間違ってるかも…

 

 

メインの人はあまり名前が似てないのが救い

 

ピエール…メガネの冴えない純朴な青年。留学帰りで社交界は不慣れ。突然伯爵になった。

 

ドーロホフ…悪友。頭のネジが外れている。市長と熊を紐で縛り川に投げる。定期的に奇行に走る。サディスト。

 

ロストフ伯爵…古き良き善良な貴族。

ロストフの子供達:

ソーニャ…頭の良い善良なお嬢さん。でも、よくナターシャの陰に隠れがち。

ナターシャ…多数の男の行動を変える要素を持つ天真爛漫なお嬢さん。

ヴェーラ…妹2人のことを冷めた目で見てる。でも美人なお嬢さん。

ペーチャ…末っ子。

ニコライ…主人公の1人。ナポレオンに憧れて軍に入る。

 

ボリス…ニコライの友達。家柄は劣るが野心家。顔が良い。

 

デニーゾフ…ベテラン軍人。素朴。いい人。

 

クトゥーゾフ…ニコライの上官(たぶん)

 

ベズーホフ…たしかニコライかピエール、ドーロホフの同年代の友?

 

エレーヌ…ワシーリーの娘。美しさと社交力がすごいけど、いい人ではない。

 

アナトール…顔が良いけど、浪費家でいいやつではない。エレーヌの弟。

 

アンナ・パーブロヴナ…毎晩夜会を開く。そこに参加する人は彼女のおばあちゃんに最初に挨拶しなければいけない。上流社会最強人物の1人。

 

 

禿山の人たち

 

なんとか伯爵…社交界から離れ田舎に住む、高潔で気難しい老人。

 

アンドレイ…父譲りの高潔さをもつ、優秀な軍人。彼も主人公の1人。

 

マリヤ…アンドレイの妹。美人ではないが、賢く謙虚。神様を心から信じている。

 

リーザ…アンドレイの妻。唇の感じが可愛らしいらしい。

 

マドモワゼル・ブリエンヌ…マリヤの話し相手兼居候みたいな美人。身寄りのないフランス人。

 

 

 

 

大体ピエール、アンドレイ、ニコライあたりの若者に焦点が当たることが多い。

舞台はナポレオンが攻めてきてる頃の話で、ロシア皇帝やナポレオン、実在のロシア将校も物語に登場する。

 

 

群像劇方式なのもあり、その時代に生きる人々の空気を丸ごと書き切っているような感覚がある。読んでる間は当時にタイムスリップしたみたいだ。だからひたすら長いんだけど。

 

 

ここからネタバレ有りの感想

 

登場人物いい点と悪い点を両方持ってる。こんな人いそう〜!ってなる。

ピエールも話の冒頭で善良な青年と書いてあったけど、自信がないから意思決定が上手くできない。そういう人が金を手に入れる、と周りはこうなる、って感じで話が進んでく。

 

同時進行でニコライはナポレオン進行に対しての戦争に行ったりしてる。嫌じゃないのか?と思うけど、洋々と行ってるように見える。戦争は当たり前にあり、社交界の話題の種にもなる。価値観が違うんだな。

 

一部の描写は大きなページ数で書かれていて、絵画のモチーフになりそうな場面が多い。叙述的に書いているのが詩的な想像力を逆に高めている。

 

初戦闘の前の霧の中の静けさとか、すごーく丁寧。霧の中、遠く聞こえる鉄砲の音、馬のいななき、将校が作戦会議してぶつかる中、大砲を守る兵士。トルストイ本人も体験していないであろう、200年以上前のある丘で起こったことを、ここまでリアルに描けるのか。

 

だからその後のニコライのテンションの高さ、敗走、無意識の傲慢さ、同僚への強がり、皇帝への憧れとかが、リアルな感情だと思える。同じ境遇を体験したことなどないのに、その時代にいた、その時の人の気持ちになれる。すごい。

 

なんか言いたいことまだあるけど、まとまらないので、とりあえずここまでにする。

おわり。

 

 

奥多摩への疾踪

職場が変わったり、臨時の仕事があったりして、暇とお金が同時に手に入ったので、ちょっと生活を中止した。

これは旅行ではなく、2日間人生を降りてそこら辺をうろついてみた人間の記録である。

下手な写真も添えてあるので笑ってみてほしい。

 

 

1日目ー川に行くときめる

Google mapで出た奥多摩・青梅らへんに宿を取り、出。新宿へ行く。いつも見る電車の風景が今日は光り輝いている。

新宿着。青梅行きまで時間が空いたので、待ってる間に溜まったメールやLINEを返しきることにする。適当なベンチに座ると、周りに外国人の観光客が多い。隣の人なんか爪切り始めた。 

近くにあったディーンアンドデルーカをのぞいた。でかいオレオの刺さったマフィンがあった。魅力的だが買わなかった。電車の時刻になった。

 

一度立川らへんで乗り換えする必要があるのに気づかず、高尾方面に行ってしまった。45分追加でかかるとこを、八高線で八王子→拝島で修正し、セーフとなる。電車のドアがボタン式になる。この辺から徐々に空が青くなってきて、周りの時間が遅くなり始めた。

青梅着。奥多摩行きに乗りかえ。

風景に緑が増す。深い緑、葉の影が作る黒に近い緑、スギの林に落ちる光の当たってないところ、葛の葉の重なって揺れるところ、苔の石垣、全部子供の頃どこかで見たままだ。空に青々とした山がいくつも連なっている、この奥に潜る自分なんてちっぽけないきものだ、このまま魂ごと山に溶けてしまいそうだ、それもいいかもしれない。

終点に「思いとどまろう 大切な命」みたいな看板があって正気に戻る。

 

奥多摩駅前は古くも新しくもないがエモい空気で育った建物がぽつりぽつりあり、脇になんらかの工場があった。

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ガラガラと音を山にこだまさせている。

もののけ姫が来そう。

 

ハイキングコース2時間を辿ることにする。観光案内所の方の説明と案内がperfectだった。凄い数のお客を案内してきたんだろな。

 

ハイキングコース降りてすぐ川

川!!!!!川ッ

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足の間から写真を撮ったら洞窟みたいになった

この川を見に来たかったのだ、と心が震えた

靴を脱いで足をつけたらとても冷たくて、その冷たさが自然の作った温度感でよかった

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近くの小さな商店で買ったオニイイを食べる

ここら辺がテンションマックス

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奥多摩弁当屋さん」みたいなあたらしめで可愛い店ののり弁。

これは写真だけ撮ってカバンにしまい、夜食べることにした。

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橋を渡って森を抜けた。

杉に光芒

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道路脇に出た。

トラックの通る坂の脇を、おばあちゃんが1人で登ってて心配になった。

広い公園の脇を登る。今日は月曜、昨日やったらしい夏祭りの片付けをしている人たちがいる。

村の裏手の山道みたいなとこに入る。森林セラピー用に作られたコースで、道に敷いたウッドチップを辿れば良いらしい。

脇の楓の木に、何年生まれ、男の子何人、女の子何人、とか書いた札がかかってて、多分奥多摩では誕生祝いに木を植えるのかな、いいな、と思った。

 

キノコがはえていた。

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好きなのでキノコの写真をたくさん撮った。

 

山道のあちこちにヨガ用のウッドデッキや椅子がある。が、泥や苔で汚れててちょっとやだった。

一個、住友林業のCMに出てきそうなガラス張りで薪ストーブがある小屋があった。地図だとトイレとあったが、鍵がかかり入れなかった。休日だけなのかな。トイレは入りたかったので辛かった。

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でもその脇にすごいいい感じのキノコが生えてたので良かった。

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一個10センチくらいはあったのが群生してる。LOVE

 

その後も黒いキノコとか白いキノコとかの写真を撮った。

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汚れたヨガコーナーはあちこちに点在したが、ひと区画だけ汚れてなかったベッドがあった。そこは気持ちよさそうだった。

寝転んでカバンを枕にしたら、バキャ!って音がして、のり弁が潰れた。

うっかりしていた。のり弁はここで食べることにした。シャケが大きくて、きんぴらもたっぷりで美味しかった。

つけてくれたミニパックの山葵が驚異的な辛さだった。

 

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駅にもどる。なんか地面の写真を撮っていたぽい。

 

近くの民家から零れ種で増えたのか、小さな鶏頭がお地蔵さまの周りに生えている。

民家脇の道は人がいないけど、住んでる気配が程よく山と混じっている。

苔むした丸石の石垣と、隙間に深く根を張った南天が、記念碑のない歴史を語っている。

こういうなんか、自然体に発生した「良さ」みたいなのがあちこちにあった。

 

次の電車までまた時間があったから川に戻った。目についたパンのビニールゴミを拾った。その脇に黒い筋の入った石があり、ぶつけると裂けるように割れたので、黒曜石かも、ってそれも拾った。あと黒い水晶らしきものも見つけた。

途中の神社でおばあちゃんたちがゲートボールで盛り上がっていて、それを見た観光客の別のおばちゃんが関西弁で誉めていた。

 

宿のため青梅に戻る。昭和レトロの街らしい。

ところどころにある看板がとても可愛い。

宿まで15分ほど歩くことにする。

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遠目だが、猫とゴジラが戦っており、ニャジラと書いてある看板

 

昭和博物館、みたいなものもあったらしいが月曜は休館だった。

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キバナコスモスがあちこちに咲いてる。道端にあるキバナコスモスも、大きなジニアも、鶏頭も、なんかすごく好きだ。

 

橋を渡る

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川…!

川のある公園の隣が宿だった。川縁に降りられたからまた川を味わうことができた。

地元の人の憩いの場でもあるらしく、フライフィッシングをするおじさんや、焚き火をするおばさんや、火を囲み踊る若者がいた。皆各々川を楽しんでいた。

 

チェックイン後、戦争と平和の続きを少し読み、コンビニに行った。

充電が切れかけてて、充電器持ってなくて、充電器をレンタルしようとしたら、アプリでの支払い方法に詰んだ。

諦めがてらホテルのスタッフに聞いたら借りられた。ありがたかった。

星5をつけようと思う。

 

風呂に入った。風呂は熱めなのが効く、ほのかに香る温泉で、看板には温泉ですが効能があるほどの濃度ではない、だが確実にこれは温泉みたいなことが書いてあってよかった。

 

晩の予定のお弁当を事故により食べてしまったので、駅側に行ってみる。そんなにお腹は空いてないけど、灯りの付いているお店に入る。

飲み屋だった。!常連さんたちの中に飛び込んでしまった!!!もうどうせ旅だし恥はかき捨てでええわ、とビール飲んだ。カツ煮と、奥多摩の銘酒である澤乃井飲み比べセットを頼んだ。カツ煮はかなり当たりで、澤乃井は辛口が美味しかった。

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これは中途半端に飲んだビールである

 

初めての経験だったが、ひとしきり騒がせてもらった。人と話すのは苦手だが、たまにはこれも良いな。常連さんがまだ来そうだし食べたので帰った。

コンビニで買ったルイボスティーを一気飲みし、ネットフリックスでヘッドスペースの睡眠ガイド流して、蒸気でホッとアイマスク付けて寝た。

 

 

2日め

予定を決めていない。御嶽という途中駅からバスとケーブルカーで神社に行けるらしいのが気になる。

 

朝ごはんのバイキングに行く。鯛とろろ飯、チョコデニッシュ、豆乳パン、多めの野菜、たまこんにゃく、しみ豆腐、温泉卵、茶碗蒸し、紅茶、カフェオレ、緑茶をいただいた。野菜が美味しかった。あとスタッフが明るくてよかった。

 

奥多摩線は川沿いを走るから、軍畑(いくさばた)という駅で降りて川を遡り、御嶽駅まで行くことに決めた。

 

チェックアウトして青梅駅まで戻る。

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こういう道端にいきなり生える花が好きだ。つい写真を撮っちゃう。

 

レトロなやつだ!

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芸者さんのお稽古場が自治会館になってる、って昨日の飲み屋の隣の方が言ってた。ここかな?すごい味があるな。

この頃の青梅、どんな感じだったんだろ。

郷土資料館見るのもアリだったな。

 

軍畑は小さな商店が一つあったほかは何もない、小さな駅だった。ポスターとマップを頼りに道を行くことにした。

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ポスターでおすすめされてる、Biomeというアプリの企画に参加してみた。コース途中の生き物の写真を撮るとな?

 

 

マップ通りに、少しだけ山側に登る。

声が遠くから聞こえてきた。

バカヤロー!なんでそんなことすんだヨォ!みたいな声がこだましている。

道路沿いに出ると、測量してる2人の作業員がいて、片方の人がとんでもない声量で怒鳴ってた。そっちがコースなんだけど通りづらいな。

 

けど押し通る

作業員たちのいる先に赤い橋があっていいかんじだった

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通ってる間は怒鳴らないでいてくれた。

 

トレーラーの多い道路脇から、渓流沿いに降りる。細いけどしっかり手入れされた遊歩道に出た。

川縁と草道の境目を歩く。

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ゲンノショウコだ!

民間薬に使われた草だよ

 

さっきのアプリで写真を撮ろう。

実質、ポケモン図鑑で感動した。マイナーなものだと出なくなるけど、種類はAI判定されて種類がわかる。発見場所が記録される。レア度表示がいいかんじ。

この写真だけで、ゲンノショウコと出てきた。レア度はDだった。

 

沢の音が心地いい。ところどころ川沿いに行ける場所がある。

しばらく行くと、崖の上にぼんぼりが見えた。カフェと庭園がある広場に出た。沢井駅に着いたようだ。

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なんとも風情がある、昭和を通り越して大正くらいの趣き

昨日飲んだ澤乃井の酒蔵があるらしい。飲みにはまだ早いな。昨日飲んだしな。

 

吊り橋の向こうに行った。寒山寺という寺があった。小さくて苔や土にさらされていたけど、それが逆に良い。雲型の窓や丸みのある天井画に可愛らしさを感じる。中国のお寺と繋がりがあるみたいだ。

 

橋を戻り、先ほどのカフェでコーヒーと豆乳チーズケーキを頼んでみる。

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やすらぎ

チーズケーキは黒豆付き、甘さ控えめ。好

 

 

一息付き散策路をゆく。森の中に裸の人がいると思ったら銅像だった

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脇の民家たちがとても良い。段々の庭が程よく手入れされてて、秋の花が大きな株になってる。毎年ここで咲いてんだろな。

なんかの柑橘の実がついた枝、石垣となんか、🌱

 

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草の写真を撮りまくりながらアプリに載せる。すれ違う人が増えてきた。大きな荷物を背負った若者とすれ違う。川の向こうに、ボートやラフティングを楽しむ人たちが談笑してる。

 

むっちゃ栗が落ちてるとこあった。f:id:watasayax:20231102114648j:image

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落ちたら痛そう

 

また川に降りて足をつけてみたりした。冷たい!!!ヘルメットの作業員が声をかけてきた。なにか、ドローンの実証実験中らしい。ここ飛ぶかもだからよろしくね、とのこと。

あと足つけてるの見て、大丈夫?って。

前の多摩川の水は、今の時期は入れないくらい冷たかったそう。土砂崩れで水脈が埋まったらしい。

へぇー

 

川の中で指輪見つけた。岩の上に置いといたから誰か拾ってくれ。

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川の良さ

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紅葉が始まりかけている

 

御嶽駅に着いた。

神社に行くには遅く、バスもないので、周りをぐるりと歩くことにした。

民家の裏にちいさな神社があって、ふらっとそこにより、お参りをした。

狛犬が目についた。ひとりは格子状の鞠の中に鞠のはいった鞠をもってて、もうひとりは尻尾を噛んだ子犬を抱えていた。

狼信仰のある土地、って聞いたけど、この狛犬はなんだか作り手の犬への愛があり素敵だった。

 

 

神社から降るとねこもいた

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ねこのきょうだい

 

このねこのいる建物がそば屋の看板を出していて、のぞいたら店主さんに案内され、言われるがまま入店。

え?人んち入っていいの?ってくらい、建物がおばあちゃんの家みたいな、とんでもない良さがあった。さっきの崖沿いの民家と同じくらいの風情。

おそらく家族で改築してて、もう同じ建物は現代では建てることはできないだろう。

メニューを見る。北海道推しらしく、北海道のそば粉を使用。店内にも北海道の何かがよく飾られている。

天ぷらそばを注文。

 

お蕎麦の食べた後

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写真撮らずに食べてまった

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静寂…

とんでもない落ち着き…

 

ここはまた行く…

帰りもう少しうろつく。

 

 

ビール瓶がたくさん落ちてるところがあった

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この土地にいた、すごい方の碑

後ろに橋の欄干跡がある

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帰る。駅前にワサビ売りの奥様がいた。

とれたてのわさびなんだって。買った。

 

電車を待つ時間が都会と違う。駅のホームで、本の続きを読んだ。こう撮るとオシャレだな、と思った。

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かなり無理をした姿勢で撮った。

隣の登山客のおじさんがこっちみてた。

 

駅のホームに人が増えてきた。

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さよなら 青い山

 

もうすぐ電車が来る、そうしたら、この長い長い旅も、文章も、もう直ぐ終わるね

 

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パァーわわん

中の広告が現実に引き戻してくるのが辛いから観光列車に投資とか転職の広告つけないでくれって思う

 

こうして2日間、少しの現実逃避は終わった。私は私の形を取り戻し、社会の人混みに戻ることになった。全部書いたらすごく長くなった!

 

 

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

あとで調べたら川で拾った石は泥岩で、黒曜石ではなかったです。水晶はGoogleレンズで見たら、火打石かもってでた。

こんなの

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おわり。